垂れている胸
産後の胸の悩み、第1位は…?
2016年10月8日
妊娠~出産は女性の胸が最も変化する時期。そして、産後は胸に関する悩みを抱える人が増えてきます。中でも最も多いのは、一体どんな悩みなのでしょうか?
このコラムで解説していること
■産後の胸の悩み第1位は「デコルテにボリュームがなくなること」
産後の女性が抱える胸の悩みの中でも、とくに多くの人が感じているのが、
「デコルテのボリュームがなくなった」
というもの。つまり、バストが垂れてしまうことです。産後の女性を対象にしたさまざまなアンケートでも軒並み上位にランクインしています。
出産を経験した女性ならほぼ誰もが、授乳を終えた後、乳房の上部がめっきりさみしくなったことに気づくのではないでしょうか。
妊娠前は機能性の高いブラジャーを着ければしっかりとできていた谷間が、産後の今となってはどこか心もとなく感じられる。ひさしぶりに行った温泉で目にした妊娠前の女性のバストが、自分のとはどうも違う気がする。産後、そうした思いを抱く女性は多いものです。
なぜ、産後の女性の胸に、そのような変化が現れるのでしょう。
■産後の胸が垂れる理由
産後、女性の胸が垂れてしまうのには大きく二つの原因が考えられます。順に見ていきましょう。
ひとつ目として挙げられるのが、乳腺の変化です。妊娠中から授乳期は、女性の体の中では女性ホルモンの分泌量が増加し、母乳をつくるための器官である乳腺が発達します。この時期にバストが大きくなるのは、こうした乳腺の発達が大いに関係しているのです。
しかし、授乳期を過ぎると前述のように発達した乳腺は再び妊娠前の状態まで、徐々にですが萎縮していきます。それにともないバストのサイズも元に戻っていくわけですが、ここに大きな問題があります。それはバストの急激な変化にともなって伸びた皮膚が、その変化に追いついていけないということです。結果として、伸びた皮膚はそのままになってしまい、それがバストのたるみやデコルテラインのボリュームダウンにつながっているのです。これがひとつ目の原因と考えられます。
二つ目の原因は、「クーパー靭帯」という組織が伸びてしまうことです。バストの構造は乳腺と脂肪組織、そして、それを支えるクーパー靭帯と呼ばれる線維の束で成り立ち、それらを土台となる大胸筋が支えています。バストが垂れるのは、この乳腺を支えているクーパー靭帯が伸びきってしまうことから生じます。
最初にも言ったとおり、妊娠中から授乳期は最も女性の胸が変化する時期です。授乳のために急激にサイズアップしたバストが、役目を終えると今度は急激に小さくなって(元の大きさに戻って)いきます。その変化にクーパー靭帯がついていけず、伸びてしまうのです。伸びきった輪ゴムをイメージするとよいかもしれません。
以上が、産後に胸が垂れてしまう仕組みです。
■どうすれば産後もキレイな胸でいられるか?
しかし、そうは言っても、出産を経験してもキレイな胸をキープしている人はいます。どうすれば産後もキレイな胸でいられるのでしょうか?
そのためのポイントも大きく二つあります。
ひとつ目は、大胸筋を鍛えることです。大胸筋はバストを支える土台になってる筋肉。土台がしっかりしていなければ、その上にあるものの形を保つことはできません。で、キレイな形のバストを維持するためやバストアップのためには、この土台である大胸筋を鍛えうことが欠かせないのです。
しかし、大胸筋は普通に日常生活を送っていても、ほとんど使われることがありません。エクササイズをするほか、正しい姿勢を保つなどして、意識的に大胸筋を鍛えましょう。
二つ目は、こまめにサイズをはかり、バストにあったブラジャーをつけることです。バストの専門家の中には、「バストサイズの変化が激しい産後は、3ヶ月ごとに採寸をしたほうがよい」と言う人もいるほどです。正しいサイズのブラジャーをつけていないと、バストを支えているつもりが、逆効果になることもあります。
無理のない範囲で大胸筋を鍛え、バストに合った下着をつけて、産後の胸の悩みを解消しましょう。